銭湯ぐらしの部屋より〜206号室・江本 祐介

おはなし

2018.6.14

text by 銭湯ぐらし

ゴールをあえて決めず、個人の「やりたい」を実現するための場として始まった「銭湯ぐらし」。結果的にメンバーの数だけプロジェクトが生まれ、様々な分野に対して銭湯の可能性を提示することができました。

また、「暮らしながら参加する」というプロジェクトの形は、新しい働き方や居住スタイルのあり方としても、とても興味深い事例になりました。

そんなプロジェクトを完結させるにあたり、1年間限定の「銭湯のある暮らし」を体験した「湯パート」住人たちに、その暮らしぶりや部屋のコンセプト、忘れがたいご近所物語を聞いてみました。湯パートは彼らに何を残してくれたのでしょうか。

江本 祐介
1988年生まれ。埼玉県出身。バンド、弾き語りの活動を経て現在は自身の楽曲やCM音楽やドラマの劇伴の制作ほかアーティストのREMIXや編曲を行う。 ENJOY MUSIC CLUBではトラックと歌とラップを担当。小杉湯では深夜営業後の浴室清掃バイトを担当。

——まず、この部屋を使っていいよって言われたときにどう思いましたか。

「恥ずかしいからやめてくれ」って思いました。

——恥ずかしいですか? それはどうして……。

恥ずかしくないですか? 自分の部屋を見られるって。

——そっか、最後に(展示として)見せる前提だから。どういう部屋にしようかなど、最初考えいてたことはありますか。

ん~あんまり、あんまり考えてないです。

——置きたいものを置いていったような。

そうですね。

——猫ちゃんはずっと一緒にいたんですか。

前の家から一緒に住んでいて、もう6歳くらいです。

——部屋のコンセプトみたいなものがあればお聞きしたいです。

家で作曲の仕事をしてるんで。それがしやすい部屋って感じですね。

——楽器がいっぱいありますね。メトロノームとか。

ディスプレイとかを見ながら作曲していくような感じですね。

——お部屋の中で「この辺を自分で作った」とか、DIYされたものってありますか?

ああ、これ、雑に貼ったこの板くらい。

——防音壁ですか?

これ、加藤(優一)さんがもらってきてくれたやつを余ってたからなんとなく貼っとくかってだけ。特に意味ないです。

——音楽室の壁みたいな感じですよね。

いちおう吸音だけどたぶん何にも意味ないと思う(笑)。

——お隣さんから作曲しているときの音についてなにか言われたりしますか?

隣の加藤さんは、たまに俺が歌ってるのを録音してるって言ってましたけど(笑)。正式提供前のなんで恥ずかしい。もう一年近く住んでいるのに、ずいぶん経ってから言われました(笑)。

——楽器とかいろんなものを置いて、お部屋がどんどん出来上がったと思うんですけど、最終的に出来上がったお部屋を見て、ご自身の感想は何かありますか?

めっちゃ居心地がいいです。ほとんど家にいるんで俺。

——仕事部屋としてすごくいい環境ということですか?

そうですね。普通に生活するのも、基本的にこの椅子に座ってすべてができる。

——なるほど。椅子に座っていればなんでも手が届く。お部屋のこだわりポイントはありますか? インテリアとか。

レコードをいっぱい置いていることかなあ。聴きますか? じゃあブルーハーツでも聴きましょうか。

~THE BLUE HEARTSのレコードを聴く~

——引き続きお話を伺います。ずっとここでお仕事も生活もということですが、この部屋での思い出などはありますか。

隣の加藤さんが急に来て、飲み行こう~って言われて一緒に飲みに行ったりとかしましたね。去年は結構忙しかったんで、バタバタして、ずっとここで曲作ってる状態でしたね。

——最後になりますが、「銭湯ぐらし」として、銭湯が隣にある生活をずっとされていたと思うんですが、それを終えるにあたっていかがですか。

銭湯が隣でなくなるの、結構つらいっすね。

俺、毎日入ってて。わりと銭湯に入って作曲のスイッチ入れる感じなんで、それがなくなるのは結構つらい。昼ごろ起きて15時半から銭湯がオープンして入って、仕事をスタートする生活リズムが気に入ってたんです。

インタビュー:金野まりな、写真:菅谷真央、編集:雨田宇以

執筆

銭湯ぐらし

SENTOGURASHI

この記事は銭湯ぐらしのメンバーが執筆しました。